はじめに:ピボットテーブルって難しそう?
Excelで「データを集計したい」「部署ごとの売上をまとめたい」
そんなときに便利なのが ピボットテーブル(Pivot Table) です。
しかし、Excelを普段使っている人でも、
「ピボットテーブルって何?」「どんな時に使うの?」
と聞かれると、うまく説明できない人が多いのではないでしょうか。
実は、ピボットテーブルは「大量のデータを一瞬で要約・分析できる最強機能」です。
難しい数式を使わなくても、ドラッグ&ドロップ操作だけで表を作れるのが特徴。
この記事では、Excel初心者でも理解できるように、
- ピボットテーブルの基本的な考え方
- どんな場面で使えるのか
- 作成手順(実例付き)
- よくある活用例と注意点
をわかりやすく解説します。

1. ピボットテーブルとは?
ピボットテーブルとは、Excelに標準で搭載されている「集計と分析を簡単に行う機能」です。
もともと「Pivot(ピボット)」とは、“軸を変える”という意味。
つまり、**「データの軸を変えながら、さまざまな角度で分析できる表」**のことを指します。
例:普通の表とピボットテーブルの違い
例えば、こんな売上データがあるとします。
| 日付 | 担当者 | 商品 | 売上金額 |
|---|---|---|---|
| 4/1 | 佐藤 | ノート | 1,200 |
| 4/1 | 鈴木 | ペン | 800 |
| 4/2 | 佐藤 | ノート | 1,500 |
| 4/2 | 高橋 | ペン | 900 |
| 4/3 | 鈴木 | ノート | 1,300 |
このままだと、ただの一覧表で「全体の傾向」は見えにくいですよね。
しかしピボットテーブルを使えば、次のように一瞬で集計できます。
| 担当者 | 売上合計 |
|---|---|
| 佐藤 | 2,700 |
| 鈴木 | 2,100 |
| 高橋 | 900 |
あるいは「商品別」「日別」など、軸を変えて見ることもできます。
つまりピボットテーブルは、
「見る角度を変えながら、データの特徴を発見するツール」なのです。
2. ピボットテーブルでできること
ピボットテーブルを使うと、以下のような分析が簡単にできます。
① 集計(合計・平均・件数など)
売上、数量、金額などを「合計」「平均」「最大値」「件数」などで自動集計できます。
例:
- 部署ごとの売上合計
- 月ごとの取引件数
- 担当者ごとの平均販売額
② データのグループ化
日付を「月ごと」「週ごと」にまとめたり、金額を「1万円単位」に区切ったりも可能です。
③ 並べ替え・フィルター
売上が多い順に並べ替えたり、特定の担当者だけを抽出したりすることも簡単です。
④ クロス集計(縦×横の比較)
「担当者 × 商品」など、2つの項目を掛け合わせて分析できます。
これにより、「どの担当者がどの商品を多く売っているか」が一目でわかります。
⑤ 割合表示・構成比
「全体に対する割合」を自動で計算できます。
たとえば「A社の売上が全体の何%か」もワンクリックで表示できます。
3. ピボットテーブルの作り方【実例付き】
それでは、実際にピボットテーブルを作ってみましょう。
① データを用意する
まずは次のような表をExcelに作ります。
| 日付 | 担当者 | 商品 | 売上金額 |
|---|---|---|---|
| 4/1 | 佐藤 | ノート | 1,200 |
| 4/1 | 鈴木 | ペン | 800 |
| 4/2 | 佐藤 | ノート | 1,500 |
| 4/2 | 高橋 | ペン | 900 |
| 4/3 | 鈴木 | ノート | 1,300 |
重要なのは「1行=1つのデータ」になっていること。
また、1行目には**項目名(見出し)**を必ず入れてください。
② ピボットテーブルを作成する
- 表全体を選択(Ctrl+A)
- 上部メニューから「挿入」→「ピボットテーブル」をクリック
- ダイアログで「新しいワークシート」を選択してOK
これで、右側に「ピボットテーブルのフィールド」が表示されます。
③ フィールドを配置する
ピボットテーブルの基本は、4つのエリアに項目を配置することです。
| エリア名 | 役割 |
|---|---|
| 行ラベル | 縦方向に並べる項目(例:担当者) |
| 列ラベル | 横方向に並べる項目(例:商品) |
| 値 | 集計する項目(例:売上金額) |
| フィルター | 絞り込みに使う項目(例:日付) |
例えば、
- 行:担当者
- 値:売上金額
と設定すると、「担当者ごとの売上合計」が自動で表示されます。
さらに、
- 列:商品
を追加すれば、「担当者 × 商品別売上」のクロス表も完成です。
④ 集計方法を変える
初期設定では「合計」が表示されますが、右クリックで
「値フィールドの設定」→「平均」や「件数」に変更できます。
これで、
- 担当者ごとの平均売上
- 商品ごとの販売件数
など、さまざまな集計ができます。
⑤ 表のデザインを整える
「デザイン」タブから見た目を変更できます。
- 色付きテーブルに変更
- 小計・総計を表示/非表示
- 縦横の罫線やフォントサイズの調整
データ分析だけでなく、見やすく伝わる資料づくりにもピボットテーブルは便利です。
4. ピボットテーブルの活用例
① 売上分析
営業担当ごとの売上をまとめて、
「誰がどの商品をどれくらい売っているか」を一瞬で把握。
例:
| 担当者 | ノート | ペン | 合計 |
|---|---|---|---|
| 佐藤 | 1,200 | 800 | 2,000 |
| 鈴木 | 2,000 | 900 | 2,900 |
| 高橋 | 1,500 | 500 | 2,000 |
② 月別・年別の集計
日付データを右クリック →「グループ化」→「月単位」や「年単位」を選ぶと、
自動的に月ごとの売上や件数を集計できます。
③ アンケートの集計
「性別」「年齢」「回答結果」などのデータをまとめれば、
「男性・30代はAを選ぶ割合が高い」などの傾向を可視化できます。
④ 在庫・入出庫管理
「商品名 × 倉庫 × 数量」などでピボットを作れば、
どの倉庫に在庫が多いかをすぐに分析可能。
⑤ 勤務実績の整理
勤怠データをピボットで集計すれば、
部署別・月別の残業時間などを簡単に算出できます。

5. ピボットテーブルを使うときの注意点
ピボットテーブルは非常に便利ですが、注意すべきポイントもあります。
① 元データを更新したら「更新」操作が必要
元データを修正しても、ピボットテーブルは自動では反映されません。
右クリック →「更新」をクリックして最新状態にしましょう。
② 空白や文字データに注意
数値の中に空白や文字列が混ざっていると、正しく集計できないことがあります。
事前にデータを整えることが大切です。
③ データ範囲は「テーブル化」しておくと安心
データを追加しても自動で範囲が広がるように、
元データを「テーブル(Ctrl+T)」にしておくと便利です。
④ フィールド名を変更しない
ピボットテーブルは項目名を参照しているため、
元データの見出しを変えるとリンクが切れることがあります。
6. ピボットテーブルをさらに活かすテクニック
① スライサー機能で直感的に絞り込み
「スライサー」を追加すると、ボタンをクリックするだけでデータを絞り込みできます。
たとえば「担当者別」や「商品別」に瞬時に切り替え可能です。
② ピボットグラフで視覚的に分析
ピボットテーブルから「ピボットグラフ」を挿入すれば、
グラフと表が連動して動くようになります。
経営会議やプレゼン資料に最適です。
③ 複数のピボットをまとめて分析
同じ元データから複数のピボットを作り、
「月別売上」「商品別構成比」「担当者別推移」などを同時に比較することもできます。
7. ピボットテーブルを使うと仕事が劇的に変わる
ピボットテーブルは、単に集計を早くするだけではありません。
**「データを“読む力”を身につけるツール」**でもあります。
たとえば、
- 売上の伸びている商品を見つける
- 無駄なコストが発生している部門を特定する
- 業務改善のための根拠を示す
といったビジネス判断にも役立ちます。
特に公務員や事務職のように「数字を整理して報告する」仕事では、
ピボットテーブルを使うことで報告資料の作成スピードが大幅にアップします。
まとめ:ピボットテーブルはExcelの“分析の扉”
ピボットテーブルを使えば、
複雑な関数を使わずに、数クリックでデータ分析ができるようになります。
この記事のポイント
- ピボットテーブルは「データを要約・分析する機能」
- ドラッグ操作だけで表を作成できる
- 集計・比較・構成比などが簡単に算出できる
- スライサーやグラフで見やすく可視化できる
- 使いこなせば報告資料づくりが圧倒的に効率化
Excel初心者でも、ピボットテーブルを覚えれば「データ分析」がグッと身近になります。
まずは身近な売上表やアンケートデータを使って試してみましょう。
「数字を眺める」だけだったExcelが、
「数字から気づきを得る」強力なツールに変わります。


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